30-16 20年越しの再会
この字、読めますか?「お救人」。「沖独活」。
どちらも「おきゅうと」と読みます。
この「おきゅうと」とは福岡県福岡市では
昔からなじみのある食べ物だそうで、
私が初めて食したのは結婚が決まって、
主人の実家 福岡へご挨拶に伺ったときでした。
見た目は深緑色のやわらかタイプの
こんにゃくゼリーのような、トゥルンとした食品で、
味はおせいじにも美味しいとは言えない、
無味なお料理でした。酢醤油とおかかでいただきましたが、
ところてんのような、そうでないような…。
お母さん(義母)が教えてくれたには、
海藻を煮詰めて作ってあって、
その9割以上が水分だということでした。
「えぇ~!水?」とかなり驚いたことを覚えています。
「まぁ、こんなもん、お客人には
めったに出すことはなかね~」と豪快に笑うお母さん、
そして、「まずかろ?」と問いてくるお父さん(義父)。
初めての嫁ぎ先での会食でド緊張している私の反応を
楽しむようにお二人は「おきゅうと」とすするのです。
あれから20年、一度も「おきゅうと」を食することも
見かけることもありませんでしたが、
結婚20年の記念として長野県安曇野に家族旅行をした際に、
なんと朝食に「おきゅうと」が出てきたのです。
驚きの再会でした。
聞くと長野では「えご」という名で親しまれてきた
お料理だそうです。こんな再会をするとは…