30-07 海が香るアワビと海女さんの姿
最後にアワビを食べたのは、
3年くらい前だったと思います。
外食する機会が減っていることもあって
なかなかアワビを食べる機会が無く、
恋しさを感じている人も
多いのではないでしょうか。
アワビはあのコリコリとした食感と
海の香りがとても魅力的ですよね。
しばらく前にテレビで、
海にもぐってアワビを獲る海女さんの姿を
見たことがあります。
水中で長く息を止めたまま
作業をする海女さんの仕事ぶりは、
とても神秘的に見えました。
その様子は奈良時代の万葉集にも登場するそうで、
海女さんの文化は
非常に歴史が長いことが分かります。
海女さんの仕事で大変なのは
水中で長く息を止めなければならないことと、
寒さに耐えることだそうです。
真冬の海は水が冷たいので、
作業は相当苦しいはずです。
そんななか、1960年代にまるで“救世主”のような
存在が現れました。
海女さん達はウェットスーツを着て海にもぐることで、
寒さが大幅に軽減できるようになったのです。
それは海女さん達にとって素晴らしいことかと思いきや、
水中での活動時間が延びたことで
“獲物のとりすぎ”という問題が起きてしまいました。
そのため、1日に獲る量に制限を設けるなどして
調整をするようになったそうです。
なかなか出合えないアワビですが、
食べるチャンスが出来た時には
海女さんの姿を想像しながら食べると
ますます味わい深くなりそうです。