30-15 秋を待ちながら思い浮かべるサンマ
主婦になりたての頃は、
夕飯のおかずによく
サンマを焼いていました。
サンマを焼くだけなら、
料理のスキルが無い私でも
おいしく仕上げることが出来たからです。
炒めて作る料理も、煮込んで作る料理も、
当然のことながら味付けが重要です。
でも、サンマを焼く時は
少し塩を振るだけなので簡単です。
私はもともと一人暮らしの経験が無く、
結婚をして初めて実家を離れました。
そのため、料理経験が浅いままで
始まってしまった主婦としての生活。
そんな私にとって、
サンマは心強い味方といえる存在でした。
ところが最近は、サンマが旬を迎える
秋になってもあまり買う気が起きません。
いつからか、お店で見かけるサンマは
どれも痩せていて
あまり美味しそうに見えなかったからです。
実は、サンマやサケはここ数年
漁獲量が大幅に減っているのです。
農林水産省のまとめによれば、
漁獲量が多かった昭和58年と比較すると
令和2年(2020年)の漁獲量は
たった20分の1だそうです。
私が「やせてるな」と感じながら
お店で見ていたサンマは
“未成熟”だったようで、
不漁が続くなかで小さく痩せている魚まで獲る
過剰な漁獲も問題になっています。
また脂の乗ったおいしいサンマを
たくさん食べられる日は来るのでしょうか。
我が家ではいつも大量に大根をおろすのですが、
いつも足りないくらいです。
サンマの漁獲量を気にしつつ、
祈りながら秋を待っています。