以前、介護ホームでお食事を作って

提供するという調理場のお仕事を

したことがありました。

予算内で献立を考え皆さんが喜んで

くださるお食事を作ることは

とても楽しく、やりがいのあることでした。

ホームを利用するご高齢の方たちは、

一日の中でもお食事の時間が一番の

楽しみになっています。

来所するなり

「今日のお昼ご飯は何を食べさせてくれるのか？」

とか、ベッドから起き上がるなり

「おはよう」の前に「ごはん食べたい」

なんて要求は毎日の出来事です。

みなさんも私の顔を覚えてくれて、

私が出社するなり「買い物行ってきたか？」

「おなかすいたよ」と催促してきます。

「ちょっとまっていてね、まだタイムカードを

押してないのよ。ご飯の支度はそれからね。」

と。この毎日のやりとりが少し楽しみでも

ありました。ある朝、いつものように

出社しタイムカードを押そうと腕を伸ばすと

「カプッ」と二の腕に噛みつかれたのです。

噛みつかれたといっても、

歯がない（入れ歯を外している）ので、

痛くもなんともないのですが、

びっくりしました。

そして、「うまそうだったから」と

言われてしまい更にさらにびっくり。

そして、ショック…たしかに、

ムチムチした私の二の腕はうまそうなのかも。

いつもより急いで支度にとりかかりました.