30-05 カリフォルニアロールから学んだ食文化の融合
飛行機に乗って初めて日本を出たのは
19歳の時でした。
行き先はカナダ、大学の語学研修です。
語学研修の期間は1ヵ月。
それほど長くはないのに、
私はすぐに日本食が恋しくなりました。
そのため、大きめのスーパーへ行って
よくお寿司を探していた思い出があります。
今思えば、限られた貴重な時間なのだから
もっと現地の味を担当すべきだった気がします。
お寿司を探していたなかで出合ったのが
カリフォルニアロールでした。
日本食のコーナーで販売されていましたが、
当時の日本で見たことは無く
とてもインパクトがありました。
その名前の通り、カリフォルニアロールが誕生したのは
アメリカのカリフォルニア州です。
カリフォルニア州ロサンゼルスの街にある
日本食のレストランで
1963年頃に作られました。
マヨネーズで和えたアボガドのほか、
割いたカニの身も入っています。
海苔巻きに似ているものの、
周りを海苔でくるんではいないのが
日本人から見ると不思議な感じがします。
カリフォルニアロールが誕生した頃のアメリカでは、
まだ海苔に馴染みの無い人が多かったそうです。
結局カナダで過ごした1ヵ月の間で
一番印象に残った食べ物が
このカリフォルニアロールでした。
今では日本の回転寿司店でも
おなじみの商品となっています。
カリフォルニアロールを食べると、
“食文化の融合”に刺激を受けた
カナダでの楽しい時間がよみがえります。