30-26 消えずにいて欲しい、飴細工の文化
子どもの頃、なんとなく見ていたテレビ番組で
飴細工の職人が紹介されていました。
とにかく作品が美しい。
それは一瞬たりとも気が抜けない繊細な作業で、
テレビを通して見ているだけでも
こちらまで緊張してしまうほどでした。
その技術は、江戸時代から
受け継がれてきたそうです。
飴細工の見た目はガラス細工にとても似ています。
さまざまな色を使うことで、
花や動物などいろいろな作品が作られていました。
ずっと飾っておきたくなるほどの作品でも、飴。
“食べられるアート”ともいえる、
独特のせつなさがあります。
とても魅力を感じたものの、飴細工を見たのは
そのテレビ番組で見たのが最初で最後でした。
きっといつか、
お祭りに行ったり旅をしたりするなかで
飴細工に出合えるだろうと思っていたのですが、
残念ながらその機会はありませんでした。
そして、突入してしまったコロナ禍。
もともと飴細工は、屋外に集まった人々を前に
その技術を披露することに
面白さがありました。
さらに、職人が飴に直接息を吹きかけて
形を作り出す技もあります。
マスクを外せない時代を迎えた今では、
もはやその様子を想像することすら
むずかしく感じます。
昭和の終わりから平成の初めにかけて
子ども達を喜ばせていた飴細工の技術。
どうか消えずに、
残っていて欲しいと願うばかりです。