30-07 ポルトガルの味、お菓子からおかずに変化
飛ぶ、竜の頭、と書いて、飛竜頭。
これは“ひりょうず”と読み、
関西でかんもどきを指す言葉です。
もうひとつ、これを呼びやすくして、
“ひろうす”という表現も使われています。
豆腐と山芋、卵を混ぜて、
刻んだ人参やゴボウなどの野菜を加え、
丸めたものを油で揚げます。
おでんの具として食べる人が
一番多いのではないでしょうか。
実は、ひりょうずという名前の由来に
ポルトガルが関わっていると聞いて驚きました。
実はポルトガルに古くから
“ヒリョース”という食べ物があり、
その名前を日本で漢字にしたのが
“飛竜頭(ひりょうず)”だと言われているのです。
しかしポルトガルにあるヒリョースは
お菓子としての位置づけです。
日本とは違って、基本的には
刻んだ野菜を加えることはしていません。
製法も見た目も、ほとんど揚げパンと同じイメージです。
仕上げに砂糖やシナモンをかけるそうで、
日本の飛竜頭、がんもどきとはやはり違っています。
さらに、形は地域や家庭によってさまざま。
まん丸なのかと思いきや、ねじった形や
平べったいものまであるのです。
ヒリョースはポルトガルから日本に輸入されてから、
大きな変化を遂げてきたことが分かりますね。
それらの歴史を知ることで、
料理における文化交流の楽しさを感じることが出来ます。